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日々のタワゴト                  

<しら‐ふ【素面・白面】>p.1222



酒を飲んでいない、平常の状態・態度。すめん。東海道中膝栗毛発端「待ちうけに―ではおかしいと」。「―では言えない」

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 お酒を飲むと人は変わる。暴れるやつ。泣くやつ。スケベになるやつ。怒るやつ。寝るやつ。話がくどくなるやつ。

 私も、いろんなやつになったことがある。この最後の、話がくどくなるやつになったことがある。でも、ながーい人生において2回ぐらいのもの。勘弁して下さい。

 酔って友達と電話で話していた。(記憶には、霞がかかっています。)日頃無口なので、酔うと何かしら話をしたくなる。

私「うん、あーでこーでこうなのよ。」

友「うんうん」

私「ね?そーするとさ、あんなこともあってこんなこともあって結局ね、

 あーで、こーでこうなのよ(ほぼ、さっきと同じ内容)」

 こう話しながら自分でも(アレ?なんだか変だよ。そうじゃなくて、もっと何か伝えたいことがあったのよ。自分の行きたい方に進んでいないのよ。)と思う。

 更に、違う角度から話を始めるがいつの間にかまた、さっきと同じことを語っている。狐に化かされて、同じ道をグルグル歩く人になったようだ。

目が回ると、進もうとしている方に身体が行かず、全然見当違いの方にぶっ倒れてしまうでしょ?そんな感じ。

 ならば、一度止まって、状況をよく考えて出直せばいいのに「話したい」という熱意は止まらない。したがって、何を話すか考えないウチに口火を切り、話が堂々巡りの迷宮になる。

 そんなことが、ありました。

 つまり、そういうときの酔っぱらいは「何を」話したいかよりも、「とにかく誰かと何か」話したいということに欲求のベクトル向かってしまっているようなのです。

 酔っぱらって迷宮の城に閉じこめられた私は、変だ変だと思いながら、酔っぱらいの深淵なる甘えの構造を、ちょこっと覗いてきたのです。

だから、本気で酔っ払いの長ったらしい話を聴いてやると、相手はすっかり内容は忘れていたりします。ばかばかしいことです。ただし、どこからが、迷宮の中からの発言かが判断つかないのが味噌ですね。

 本当に酔っ払いは嫌いです。