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日々のタワゴト                  

<かゆ・い【痒い】>p.502



 形  かゆ・し(ク)

皮膚を掻きたいような感じである。宇治拾遺物語1「―・き所もいでくる衣なれば」。日葡辞書「カユウゴザル」。「痛くも―・くもない」

 ―○痒い所へ手が届く

こまかな点まで行き届く。

  *   *   *   *

「 皮膚を掻きたいような感じである。」が“痒い”の説明になっているのか、はなはだ疑問。

 さらに「家庭医学大事典」も調べてみたが、なるほどという説明は見あたらない。

 噂によると“痒い”は“痛い”の親戚らしい。 小さいちいさい痛みが“痒い”なのだと聴いた。

 第一子を妊娠中に激しい痒みに襲われた。膨らんだ腹部の表面が堪らなく痒い。皮膚科に行ってみるが「掻痒疹」ですね。というだけで、対処療法だけである。「掻痒疹」とは何かというと、病変がないのに痒い状態だという。あんなに痒いのに。

 気が付くと掻いているのだ。夫は掻くなと言って手をどけたり、軽く叩いたりする。こんなに痒いのに。

 「もっと酷くなるから」という理由で「掻くな」というのが表向きの理由だ。

 でも、これは嘘だと思う。“掻く”という行為は、見ている者を不快にさせる。そもそも“痒い”は説明の付かない“なんとなく”の状態であるだけに、原因がなくても沸き起こることがある。

 つまり「他人が掻いている→自分まで痒い感じ」を呼び起こすのだ。いらいら、むずむず堪らない。

 その妊娠を期に、体質が変わってしまったのか、アトピーの症状が時々起きる。化学繊維や、柔軟仕上げ剤、汗をかくなどの刺激で湿疹が出る。

 今夏は暑いので、今両股がやられている。時期が来るとケロリと直るのだが、今は痒い。あー、痒い。だまって掻かせてくれ。