■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

りはびり

▼9/3

真の眠り人という物々しい名の布団に横たわっている。右手には本を持っている。その肩を枕にして猫のタラが寝息を立てている。左脚をスローモーションのように、ゆっくり振り上げ左手で筋繊維を確認するよう触ってみる。日々の労働の余禄を(ヨシヨシ、マズマズ)と思う。本は松家仁之の小説。面白い。猫と古い民家と暖炉の火を焚くのが上手い女性が登場する物語だ。

(コレガワタシノシアワセダ。ワルイカ?)とも

(ソンナヒショウナコウフクデヨイノカ?)とも

同等に思っている。

心地よく物語を読み終えた。真の…なのか、偽の…なのかは判明しないが、間もなく眠りに落ちる。その私の下には、どうしようもない私のカタチを正確にレリーフにしたようなマットがあるのだ。

起き上がれば、その形が消えてしまうのがトゥルースリーパーの最大の美点に違いない。

今日の本:

優雅なのかどうか、わからない

優雅なのかどうか、わからない