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日々のタワゴト                  

まだイケると思いたい  ***** 映画『百円の恋』を見て

▼12/4

午前、次女よりのプレゼント餅まるめ機が届いた。うれしい。本体はまだ。

夕べもふわふわさんの地獄鳴き(地の底から湧きあがるような低い声であーーうーー、あーーうーー、と鳴く。命名ぶるべりさん)が度々あり、寝不足のまま図書館へ。赤瀬川先生の本を二冊返却し、なにかないかなにかないかと重くない文庫を探し、寺山修司の母、はつの本を借りる。郵便局へ寄りバス停へ向かう。予定より早いのでセブンで時間をつぶそうか、と思っていたのに札駅行きのバスがやってきた。早いけれどコレで行ってしまおうと乗る。

車中、寺山の母の作品にのめり込む。いつの間にか到着。約束の時刻より一時間も早いので、かねてから興味があった店主が無愛想で酒は二本ずつしか頼めないことで有名な金富士へ。メニューは一号店と似たり寄ったり。小ぶりな鶏皮4本セットで280円キリンラガー一本、煮込み、そしてそろそろ出ようかなという時にAさんより連絡が入り、時間もないけど、もうすぐそばに来てるので、と連絡がきた一瞬のちに顔をのぞかせた。ヨロコブ。駆けつけ一杯、そしてカシワ。ふたりで1980円也。

キノで『百円の恋』先行上映。監督挨拶もある。『0.5ミリ』の芝居も素晴らしかった安藤サクラ主演。しかもボクシング。

以下ネタバレ注意

スナック菓子を食べてゲームに明け暮れ、パジャマでコンビニに行くような自堕落な女。実にひどい。これが家を出て100円ショップで働きながら、妙な男を拾う。結局、逃げられ、だが彼女は真摯に憑かれたようにボクシングに打ち込み始める。まったくダメダメで、口下手な女がうだうだしてる・・・見苦しい。そこに私は自分を仮託する。縄跳びもろくに出来ず、パンチングボールにも当たらないところから、ちゃんとしたボクサーに見えるまで鍛錬し成長する主人公。

なんというかね、これがもう力強くて頼もしくて心躍る。パーマンの時代の昔からダメな主人公が変身して強くなるのは視聴者に快感をもたらす。本当に感動する。体まで変わるし、醸し出す空気も変わる。自分にも何か出来る気さえしてくる。

身体は嘘をつかない。

歩いて遍路をしようという、もの好きな自分。だからこそ肉体の成し遂げたことを神聖に捉えているのかもしれない。本を読み、御託を並べるへ理屈野郎だからこそ、そういうものに憧れている。肉体の、その事実は誰にも侵されず、すり減ることもない。(ここが遍路二巡目への動機でもある)苦しくて辛くて投げ出したくて、でも貫徹する。一日一日確認する。こんな風に自分を信じられる行為は、身体特有の確かなものに思える。これが遍路への動機として人に伝わるかどうかはわからない。

話が逸れたが、安藤サクラの演技が見事。アレを演技って言うのかな?というくらい肉体改造と鍛錬とで主人公  になり切り、激烈なボクシングの試合を行っている。感動だ。新井浩文が、また良い。随所にある、くすぐりもセンス良く笑える。

上映後の話で、結末について監督が面白いことを言っていた。オリジナル映画へのこだわりとか。(これについては月刊シナリオに対談が掲載とのこと。中央図書館で読まねばなるまいぞ)とにかく感動のあるいい映画だった。


映画『百円の恋』予告編 - YouTube

キノを出て、映画の話をしながら一杯(てか5~6杯)やって、充実の時。楽しかった。