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日々のタワゴト                  

おばちゃんゼロハンライダーのささやかな冒険

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日記をつけているうちに夜更かししてしまった。本当は5時に起きて「冒険」に出ようと目論んでいたのだが、目が覚めたのは7時過ぎ。諦めて少し本を読み、やっとこさ起きて朝食。

やっぱり試してみたくなり夫に
「冒険に行ってくるわ。スクーターでK町まで行ってみようかな?」と言ってみる。

夫は何も言わずPC部屋に行った。どうやら天気を調べてくれている。これは行ってもいいということではないか。図に乗って「明日の朝帰ってくるから、明日のも見て」という。天気が悪ければ「雨だよ。。。」というはずなので無言ということは大丈夫ということ。よっしゃあ。

スキータイツを穿き、その上にジーンズ。上はパジャマに見えないパジャマ、ポロシャツ、長T。そして娘の着ていたスキーウェアを羽織り、さらに白い合羽。右腕には反射板の腕章。急いで支度をして行ってくるね。とスクーターをチェック。ダイジョウブ。

極力交通量の多い道を避けて南の沢から小山を越えて小金湯に出る道を走る。霧雨が蕭々と降っている。なにしろ、こちらはゼロハンスクーター。法定制限速度は時速30km。後続車が近づいてきたら抜きやすいように左端に寄らなければならない。ミラーを確認しながら慎重かつ大胆に走らせる。かなり寒い。家では吸えない煙草も吸いたい。J山渓の青いコンビニで暖かい飲みものハニーレモンを買い求め、冷たく痺れる右手を休ませる。やっとスタートから17キロだ。下の合羽を探すのももどかしく、いいや!と、飛び出てきたから下半身が寒い。

追い越し禁止のところでは特に気を使う。大きなバスやトラックが後ろから忍び寄る時は、背中をギュッと緊張させながら風圧にハンドルを取られないよう力が入る。それでも何とかかんとか峠までたどり着く。45キロ地点。車では、いつも難なく走っている道だが立場が変わると全然違う。それでも(よーしよーしいい子だー。よくやったぁ。)と動物に声をかける畑正憲のように自分をほぐし、オシッコ休憩をする。峠の茶屋の二階に行ってみると食堂は閉鎖で展望無料休憩所になっていた。観光案内のお姉さんがひとりカウンターでお仕事している。どこかのオジサンがやってきて「あれー。○○さんいないのかい?前にさぁ、ふきだし公園に行く近道聞いたんだけどさ…7イレブンで曲がるったかな」と話し出した。おねえさんも返事に困っている。

おせっかいな私は「そうですよ。セブンで曲がればいいんですよ。でも普通に行っても二〜三分の違いだけど」とヒトコト。

そして気を引き締めてさらに走る。カメラとか持参したけど、寒くて余裕がない。ひたすら早く着きたい一心でノンストップで故郷K町まで。

じゃが太君のカントリーサインを見つけて、(おおぉ。なんとか来れるもんだね。)と旧知の友人に会ったかのようにホッとした。

体全部が「かじかんだ」ような塩梅で、実家のストーブ前でゆるゆると解凍作業。みんなに「ばかだねぇ。車で来ればいっしょやぁ」とか言われながらも、ひとり自己満足する私なのだった。

往復166キロメートルの冒険でした。