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日々のタワゴト                  

<む‐り【無理】>p.2340



・道理のないこと。理由のたたないこと。「―を通す」「―を言う」「怒るのも―はない」

・強いて行うこと。「―をして体をこわす」「―に連れ出す」

・行いにくいこと。するのが困難なこと。「―な頼み」「子供には―だ」

―が通れば道理が引っ込む   ―もない

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里は田+土で筋道の入ったようすを表し、王は玉であるから宝石の表面のすじを理というらしい。それがないのは、筋道立たないこと、つまり理屈に合わないことだ。

 だから無理は身体に良くない。限界を超えて働きすぎたり、イヤなことを無理矢理するのは辞めた方がいい。身体がいつか悲鳴をあげる。

 動物園の、いつも壁に向かっているノイローゼの象の話を聞いたりすると、四六時中見られているのがいかに動物にとって“無理”な状態なのかと心が痛む。

 近頃の人間のこども達も、随分いろいろなところに無理がかかっているようだ。

 私にとって断酒は無理なことだと思っていた。しかし、鳩尾ミゾオチや背中が痛いのをきっかけに受診し、膵臓が腫れていると言われたときは、案外平気でビール断ちできた。癌を疑ったが故のこと。おかげで、3kgほど痩せられた。

しかし、膵臓に管を通し造影剤を入れて検査した結果、大丈夫と太鼓判を押され、早速その日から元の木阿弥。

 無理のようで存外簡単に越えられる壁と、無理じゃないように見えて、無理なことととがあるようだ。

 前者の代表は、毎日呑んでいたビールをきっぱり絶つことであり、後者は、一旦できた断酒を意志の力で健康体でも続けることだ。