■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

ここ数日

▼〜7/23

ひたすら佐野洋子漬けの日々を送ってはいるのだが、その合間に少しは別の本を読んだりテレビを見たりもしていた。

読了本はモヘヅさんに借りた石田伸也 『ちあきなおみに会いたい。』、そして話題の鹿島田真希『冥途めぐり』など。

ちあきなおみの実像に迫る本は実に面白かった。歌への情熱の傾け方、亡き夫への深い愛。読めば読むほど歌が聴きたくなる。永いこと保存していたNHKの番組を消去したことが悔やまれる。そしてYOUTUBEで黄昏のビギン・蘇州夜曲・星影の小路などの昭和歌謡をカバーしたもの、そして伝説の恐ろしくも釘づけにされる「夜へ急ぐ人」に唸り、更に彼女の運命を予告したかのような名曲「冬隣」に涙。・夜間飛行・雨の慕情etc.馴染みの歌も。と次から次へと聞いてしまう。うーん、もしも今後復帰したとしたらどんな歌を聴かせてくれるんだろう?聴いてみたいものだなぁ…と思ってしまう。歌というものをただの道具にはできなかった本当の歌い手なのだろうと思う。

『冥途めぐり』は著者によると百回書き直して出来上がった作品で非常に思い入れも強い物語であるらしい。真摯な雰囲気の著者には好感を持った。が自分にとっては少々読むのがシンドイ世界だった。云ってみればラストが明るい予兆で終わることを除けば昔々高校生の頃に心酔した倉橋由美子の『暗い旅』の別バージョンとでもいうのか。だとすれば私にとっては敢えて、あの迷路の中の日々に戻るのはキツイ。「99の接吻」も姉妹の性的関係を描く少々変わった世界観の話で純文学的。もう少しエロを濃くするか、逆に精神性を強く描くかだと入れ込める気がした。ちょと読者が置いてけぼりかな?と思ったり。

そして辻村深月という作家の明晰な受賞会見には心からぶったまげた。頭の中の思いを言葉にするのが異常に旨い。そのまま書き取ったら添削の必要がないほど文章の整合性もピタリ!この人も、いずれ読んでみようと思う。

NHK BSの「ヒラリー・スワンク自らを語る」〜アクターズ・スタジオ・インタビュー は本当に面白かった。ミリオンダラーベイビーしか見ていないから、「ボーイズ・ドント・クライ」と「アメリア 永遠の翼」も観てみよう。

この番組を見るといつも人間の面白さに圧倒されるし日本のTVでのインタビューの中身のなさが嘆かわしくなる。その役者がどのような生育過程をたどり、いかにして現在の名優となったのか、人物像を見事に抉り出す。そして、私は、いつも最後には、その役者の凄さを超えてこの番組そのものに感心してしまう。取材の綿密さもあるだろうし、話を引き出すオジサンの力もあろうし、インタビューされる側の自己表現の豊かさにも負うところは大きいと思う。検索すると、この名インタビュアーの本が図書館にあるのがわかった。なので佐野さんの絵本とこれを明日借りてこようと思う。

なんせ人ほど面白いものはない、と思う。当たり障りのない人よりも強烈な人に惹かれる。

昨日今日と実家訪問。姉のところで佐野本を受け取り付箋片手に父の傍で読む。ホントおもしろい。父が随分手元足元がしっかりしていて(といってもヨレヨレなんだが)嬉しかった。今朝は、ひとりで温泉に入ってきた。お掃除が終わりかけの一番風呂。脱ぎ始めて(ややや!手ぬぐいを忘れたわい)と思ったけれど、買いに戻るのもうっとうしいし人もいないしと、脱いだパンツをタオル代わりに体を洗った。露天は羊蹄山を正面に望むことができる。お湯は風に揺れ朝日にキラキラと光り、木々の梢はそよぎ、頬を撫ぜる風も心地良かった。土産にウニと一夜干しのイカをもらって帰宅。庭のきゅうり塩昆布もみも美味しかった。


孫は日高方面で、お馬の親子に対面して来たそうだ。お母さん馬にペロリと舐められたとのこと。オンマさんにあやかって、その名の通り足の速い少年になれるといいね。