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日々のタワゴト                  

▼10/8 水



すばらしい秋空。

気持ちよく仕事をして、事故処理をして、やたーっ!明日は休みだぁ!と帰ってきた。

なのに、急にムシが愚図りだしてブルーになった。

美味しいモツ鍋を食べ終えて、本を読みはじめた。

パンクミュージシャンの名前や曲名が、やたら出てきて、無論それらはカタカナであり、ちょいと入り込みにくかった津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』しかしながら、読み進めてゆくうちに世界に入り込めた。

この人の書く主人公は、なんとも味がある。実に魅力的だ。。冴えないのに、磨り減ったり壊れたりしない強固な「核」がある。その辺がジワジワと読者を増やしている所以だろう。



音楽を聴いていないと手も足も出ないときがある。物理的にも、そして数分をただ息をしてやり過ごすだけのことにさえも。けれど音楽を聴くと、それが鳴っている何分かだけは、息を吹き返すことができる。アザミはときどき、自分はその何分かをおびただしく重ねることによって延命しているだけだと思うときがある。

この一節には感動した。自分にとっては「本」が、これかもしれない。

なにもかも憂鬱だった高校時代、誰とも話したくない休み時間に本を開いていた自分は、まさに「本」で延命していた。

どんどん面白くなってきたところだったが、一旦、本を閉じた。スクーターで、ビールを買いに行き、そのままフラフラ走らせた。パチンコ屋のマッサージ椅子で続きを読もうか迷ったが、雑念が沸きそうでよした。図書館の前まで行ってタバコを一本吸って帰ってきた。帰宅してテレビを見ている夫の横でビールを開ける。続きを読み始める。幸せだ。不幸だけど幸せだ。そして、アザミやチユキに肩入れしながら、幸せに読み終えた。

図書館から借りた本は、まだまだあって今も米原万理の『終生 ヒトのオスは飼わず』を読んでいる途中なのだが、図書館に『カソウスキの行方』があるらしいので、行ってみようと思っている。