(アダは他・異の意) その人の特徴などによって実名のほかにつけた名。あざけりの意味や愛称としてつける。異名。ニックネーム。
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昨日読んだ林あまりの本に、「自分はあだなが欲しかった。いつも、わたしは"林さん"でしかなかった。とあった。
そういえば、私もあだ名ってない方だった。小学校の先生が時々「ふくちゃん」って読んでたけど、皆がそう呼ぶということにはならなかったし。
私もいつも「○○さん」だった。別に一人ぼっちの子ではなかった。高校時代なんかはみんなと仲良かった方だ。女子というのは自然とグループ分かれする。しかしどのグループからも公平に声を掛けられたものだ。けれど、呼び名は「○○さん」。・・・・・・。
どうも違う匂いを放っていたのか。初めてそれを意識したのは中一のとき。
「○○さんは、なんだか変わってるね」それは誉め言葉のニュアンスだったが、それを言った子も充分に異彩を放つ子であり、「へえ。そうなの?」と思ったのであった。
たしかに私はおんなの癖にいつもズボンで学校に行っていたし、学食にもひとりで堂々と行っていた。もみくちゃになりながら「110円カレー下さい!」とか言ってたし。
みんなと仲良くしながらも「むやみに俺に近寄るなよ」っていう風なハードボイルドタッチのピリピリしたオーラを放射していたのかも。
私は結婚して「○○さん」じゃなくなったし、今は、昔の友人も下の名前で「○○ちゃん」と呼ぶようになった。
可愛げのない性格というものは一生変わらないのだろうか。