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日々のタワゴト                  

<しょ‐さい【書斎】>



・(個人の家で)読書や書き物をするための部屋。

・祭りの前に酒や肉を断ち、きまったところにこもって心を一つにして準備する。ものいみ。・ものいみや勉強のためにこもるへや。「書斎」

《解字》

 会意兼形声。「示+音符齊(きちんとそろえる)の略体」。祭りのために心身をきちんとととのえること。

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 書斎という語、よく耳にするものの我が家には書斎がありますという人は意外に少ないのでは。

 上に挙げた書斎の語彙からしても、「書斎」には高級感が付きまとうようだ。示の字は神が降りてくる祭壇を象った文字で、神事に関連した後に用いられる。心を清め真実に向かうというニュアンス。かなり本格的でなければ、ものを書いたり読んだりする部屋ではあっても「ここが我が家の書斎です」とは公言しにくいのではなかろうか。

 作家なら文句なく机のある部屋は書斎と言われる。医者・弁護士・政治家あたりの自宅にも堂々と「書斎」はあるだろう。

 しかし、たしか私が今PCに向かっているこの部屋も設計図には書斎と表記されていたのでは。設計図を確かめてみる.と、きちんと、そう記されている。だが、机と七本の書棚だけがある、わずか四畳のこの部屋を書斎と呼んだことはない。

 きっと、どのお宅でも、お父さんが「俺は書斎を作る」と言って家を建てたお宅でも、ここは書斎なんですと言うだろうか?お父さんの部屋という呼称に取って代わられているのではなかろうか。ごく普通のサラリーマンで「書斎」という呼び方を使っている方がいらしても、半自虐的に、その言葉を用いてるのでは。

 はたして、日本の五千万世帯において、実際に書斎と呼んでいる書斎がある家庭は何パーセントぐらいあるのだろうか。

 うちには書斎があるという方教えて下さい。