■ 日 日 夜 夜 ■

 日々のタワゴト                  

<ちん‐もく【沈黙】>p.1589



 だまって、口をきかないこと。「―を守る」「―を破る」

 活動せずに静かにしていること。「五年間の―の後、作品を発表する」

 ―‐こうえき【沈黙交易】カウ ―は金、雄弁は銀

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男は黙ってサッポロビール・・・古いが心に残るコピーであった。私も健さんは好きだしサッポロビールも好きだ。恵庭サッポロビール工場には4〜5回見学に行っている。見学が好きなのではなく、その後の試飲(単なるタダ飲み)が好きという、かっこ悪い理由。以前は新鮮なビールを遠慮がちに、しかしフンダンに飲めた。おつまみも付いてくる。ドライブがてら、おしゃべりしに行くのに最高。今は時間制限ができてしまった。私のようなタチの悪い見学者が後を絶たなかったものと推察される。売店で売っているビア納豆がまた旨い。休日は工場のラインが止まっているのが残念)

まずい・・・雄弁にビール工場の宣伝をしている場合じゃない。沈黙の話だ。おしゃべりな男は確かにかっこ悪い。しかし、ものには限度がある。夫はほとんど口を利かない人だ。

この欠点は喧嘩もできないということだ。

いくら私が"話し合い"をしようとしても、それが成立しないのだ。結婚三年目ぐらいに喧嘩をした。途中で、これは喧嘩ではない。喧嘩というより私が一人で怒っているだけだ。なんてこったい。と気付いた。

「もし今、窓の外で人が聞いてたら、一人でしゃべってる気の触れた女だと思われるね」と言った。

それ以来、私は樹と暮らしているのだと思おうとしている。阿吽の呼吸で夫という人が解ってきたつもりだ。

それでも、悟りきることはできない。ときどき爆発する。

本当は向こうにも非はあるのだ。しかし、話しても話しても喧嘩にはならない。そして、最終的には

「私って何度同じことを繰り返せば悟ることができるんだろう」

と反省させられる。

雄弁で対向しようとしても負けは決まっているのだ。やはり、沈黙は金らしい。