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日々のタワゴト                  

<とつ‐ぜん【突然】>p.1738



 にわかなさま。だしぬけ。不意。突如。「―の出来事」「―変心する」

「突」《解字》会意。もと「穴(あな)+犬」で、穴の中から急に犬がとび出すまを示す。

*  *  *  *

人の死はいつも突然だ。失踪などもそうだ。

しかし、本当にそうなのかと考えてみると、そうばかりとも言い切れぬ。

犬が穴から飛び出すには、暴れる気配がしたり、臭いがしたり、鳴き声がかすかに聞こえていたりしたのではないか。

「突然」を「当然」とか「自然」と感じる第三の眼をもった人もきっと広い世の中には居るのだろう。

100匹目の猿の話をご存じだろうか。

ライアル・ワトソンが名付けた「百匹目の猿現象」とは幸島でサツマイモを洗うニホンザルの数がある臨界点を越えると、離れた他の場所でもこの文化が伝わったという現象だ。

突然のようで当然ということになるのだろうか。

共時性は、集合的無意識との関連による「必然」だともいう。

だとしたら人生に「偶然」ってあるのだろうか。

それがないなら唖然呆然だし、公然の秘密だが、わたしのまぬけは天然だ。完全に釈然とはしないものの理路整然と証明せねばいかんというのも古色蒼然とした、旧態依然たる文章観だ。