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日々のタワゴト                  

二死満塁フルハウス満腹満足満願成就の旅

2018/05/05

四時には目覚め、しばし布団の中にて起きるか否か迷っていた。いよいよもって起きねばという頃合いに体を起こし支度をする。まずは、抗癌剤を飲むために、食前の薬を口に含み手近にあったコーヒーで飲み込む(真似しないで下さい)。そしてクロワッサンを一口、また一口と詰まらぬように飲み物を補給しながら食べきる。
カレンダーに貼り付けてあるグリベックを今日の分と明日の分、そして万が一欠航するなどの場合に備え最後の日の分を持参。

洗面歯磨きをして、なんとなくファンデーションなども塗る。財布を確認。足りなさそうだが、何処かでおろそう。

洗い物をしてちよっこし座る。膝の猫には、お母さんは明日までいないけど、ちゃんと帰っておいでよ、お父さんに意地悪しないように言っておくからね!と言い聞かせる。

空港行きバスの乗り場まで夫に送ってもらう。色々すまんね、、。ありがとう。と車を降りる。

前回、千歳空港に来たのは転職する次女を送る為だった。アッと言う間のひと月。

AIR DOにて初めての仙台空港に降り立つ。

空港線で駅に着き、人の波を避けたら自然と東西線の乗り場に行けた。今日明日とご一緒して下さるSマさんは、一番機で着いてしまう私に合わせ、東京からの新幹線を一本早めてくれたのだ。自分を待たずに先に宮城美術館に行って観てて。あとで美術館で会おう!との言葉に甘え林明子原画展を楽しむ。

可愛くて切ない子どもの愛くるしい表情を描かせたら右に出る人は居ないのでは?いわさきちひろ以来かもしれない。

『はじめてのおつかい』で絵本作りを一から覚えた、というのも今日初めて知った。

モデルにした姪っ子さんや甥っ子さんの写真を見ると、まさに『あさえとちいさいいもうと』が、そのまんま写真になっていた。いや逆々。本物。

ワザワザ美術館迄来てくれたのに、ゆっくりみる時間はないのでロビーにいると。脳内情報修正効かずごめんよ。

入口の「おつかい」背景で二人でパチリ。

駅へとトンボ帰りして書店フルハウスのある小高へと向かう。牛タン弁当買って。乗り込んでみたらば札幌の地下鉄みたいな車内。弁当は憚られる。人気が減るのを待って食事。柔らかく炭の香り立ち美味かった。次は焼き立て食べたい。

小高は静かな街でした。

駅員さんに聞いてトコトコ向かう。程なく「フルハウス」のエプロンをした体の大きな青年が見えた!(あ!きっと丈晴君だ!)その時は躊躇して言えなかったが休憩の時に握手してもらった。微妙な気分かもしれない。ごめんね、つい感激してしまって。

駅着いたメールで来てくれてMナチとも会えた。席まで確保してくれてサンキュー!(あれから色々ありますた)充分言葉を尽くせず今となっては後悔。また行くぜよ。

書店の店内じっくり眺めたかったが混み合っておりサラッとしか見られなかった。キチンと柳美里さんの目で選ばれたのだなと感じさせる棚だった。

柳さんは最新作を買い求め、角田さんは既に源氏を購入済なので文庫を。

柳美里さんの二人の出会いのいきさつから始まる。野間文芸新人賞を同時受賞されていたのだったか!それが20年前で、節目ごとにお便りのやり取りがあったと、、。

私の印象では両極の作家と思っていたがラストの質疑でお互いの好きな点を伺ってふーむ、なるへそだった。角田さんは柳はんの、どこかぶれない人生への真面目さが好きだという趣旨の発言をされた。んー、そっかー、納得。氏は別の場で自分にとって小説を書くことは何かについて考え続けることであるとも語られた。

六割憑依型の柳美里さんと全く憑依せず意図的に人物を動かす角田さんは互いにリスペクトされ、気持ち良く対話された。

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角田さんは初めに数多ある源氏の訳文から谷崎源氏に始まる5作品の冒頭を朗読された。最後がご自分の訳で「わっかり易いですね〜〜‼︎」と自賛されて、思い切り笑ってしもた。

柳さんも、超多忙な中ちゃんと読まれたようで、角田版源氏を絶賛。中巻下巻発刊イベントでまた行けたら嬉しい。

柳美里角田光代伊藤比呂美絲山秋子山折哲雄山浦玄嗣ら求道者とリレーで結ぶカミーノの旅があったらなあ!この世は迷える仔羊はかり。そこそこ小金を持つ中高年が勇んで参加すると思うがな。ワシは貧乏だがおとっつぁんに借金してでも仕事辞めてでも行くよ。

柳美里さんの『永在する…』は、解説を読んでから未婚でシングルマザーの道を選ぶ確率も低くはなさそうな下の娘に送った!あの壮絶な航海を味わってビビるが良い!そしていつか看取る命や育むかも知れない命の事をイマジンしておくれ。

Sさんプロデュースで林明子絵本原画展、牛タン、阿武隈川、でけー牡蠣、ずんだシェイク、ずんだ餅、超美味え立食い寿司、笹かま、霜ばしら…フルハウスイベント、眺めの良い城址公園からの風景には震災を思い、犬の土人形絵付けもして実に実に密度濃き楽しい旅であった。

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サンボマスターLIVEなどとフルハウスイベントのハシゴの旅再訪できねーかなー。