■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

《遍路37日目》松屋旅館~三角寺~民宿岡田 

弘法大師も ホーホケキョ ©Mr.Aサクラ

▼3/4

本日は松屋旅館にて04:30覚醒。もたもたして05:05起床。

06:00朝食を食べ始め、06:45出立。

目的地が同じなので、たまたま同宿した神奈川県在住のA夫妻に随行させて頂く。歩き始めてみて、お二人の足運びの速さに(おおっ!)と思う。これは心して掛からねば。

体感速度は通常の私の1.1倍から1.2倍。けれど、歩いてみれば、それはそれで可能。けど、キツいのもたしか。リーチが短いので回転数でカバー。

四国中央市土居町の池手前で綺麗な朝陽。そして、逆光で浮かび上がる御夫妻の姿。


f:id:okkachan:20140304201352j:plain

背景の清々しい美しさ、その前の二人の巡礼らしい風情。よい写真が撮れたと満足。

0830〜0843 伊予寒川ファミマにて、トイレ休憩。海岸に近づき湾を挟んで大きな煙突が何本も立ち、煙を黙々と吐き出しているのが見える。(あれはなんだ?)そして、更にスタスタ。

旅館から13.5km歩いて10:06〜10:20銅山川発電所前、戸川疎水公園にて、休憩。

ここが三角寺登山口。ここから少し行った所で、散歩する御老人に遭遇。カクシャクとしていらっしゃる。しばらく世間話。そして、少し登って見晴らしの良い場所に出た。


f:id:okkachan:20140304213832j:plain


古老が朗々たる声で「ここで、少し御案内をいたしましょう」と言う。当然、我々も止まって耳を傾ける。

「この街は戦後、近代的製紙工業が栄え、現在でも日本有数の生産を誇る地域で、あの煙突は、つい最近世間を騒がせた井川意高の会社でもあります(会社の資産何百億をギャンブルにつぎ込み実刑判決を受けた)。『溶ける』などという本を書いたりしています。よく言うことですが、三代目が身上潰すというのは本当です。私は、初代社長に仕えておりました。今でも尊敬しております。」

その後も、しばらくお話を伺う。2003年72歳で四国遍路をしたともおっしゃる。そして、そこに留まらず、数年後には海外在住の友人に誘われてスペイン巡礼へ出たとも。「わーー!いつか行ってみたいというのが夢です。」と言うと、更に詳細にお話は続く。とても頭の良い方で、話が頭の中で整理されており、書くように語ることのできる能力の持ち主だった。

その後、山を下ってきた知人の方に会い「ここで失礼します」。と別れ、我々はお寺に向かった。小休憩も入れて一時間で山頂の65番寺三角寺に到着。そこで、折悪しく二つの団体遍路さんの車がやってきた。


f:id:okkachan:20140304214111j:plain

かいくぐって参拝を終えて納経し、お昼休憩。すると、先程のお爺様もちゃんと到着し、お弁当を召し上がっておられる。

再びお話を伺う。

初めての遍路の時に詠んだ川柳を教えて下さった。

経を読む 声たどたどし 初遍路

と古老が言えば

Aサクラさんの御主人も「ワタクシモ言っていいですか!?」と手を挙げ

焼山寺 弘法大師も ホーホケキョ

一本杉下の巨大な弘法大師。そこの樹々に数多いウグイスがあちらこちらで鳴いている。まるで生真面目な顔のお大師様もホーホケキョと囀っているかのようだ。…ということと思う。これは上手い!

ついでに私も挙手をしようかと思ったが、笑える句でもないので止しておいた。

f:id:okkachan:20140304222059j:plain

お別れの段になって「巡礼の資料が沢山あるので、宜しければ差し上げますよ」と名刺を頂戴し、こちらも納め札を差し上げたのだった。また、私の持論「声が大きく、朗々と語る人は押しが強い」が証明された。おそらく何事かを成し遂げられたからこそ、そういう話しっぷりなのでもあろうし、そういう意志の強い声だから人に何かを伝え人を動かすことも出来る。ということもあるだろう。そういった意味では、Aサクラさんも、ご同様の方とお見受けした。

いつ「どうぞ、お先に…」と群れを離脱しようかと思いながら、最後まで付いてきた。三時間弱で、本日の宿に到着。

お風呂をいただき部屋でしばしグロッキー。

夕飯も、ココロが丸そうな御子息のお嫁さんがついて下さり、雲辺寺への道の解説を聴いたり、遍路話に花が咲いた。

52870歩

31.12km

415分