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日々のタワゴト                  

《遍路30日目》長珍屋~47番八坂寺~48番西林寺~49番浄土寺~50番繁多寺~51番石手寺

へっぴり遍路と彌生世界 

 

▼2/25 火曜日

目が覚める。喉も唇も渇いている。うがいがしたい。でも…、と迷う。その時アラームが鳴る。かけた本人無反応。が、でかいオナラが三連発。・・・をい。寝屁であるのか不明。そのうちに、何事もなかったかのように「ん〜!」と起きた。こちらも敢えて追及はせず。なんせ昨日から、大袈裟でなく30発は見舞われた。ケツの鬼太鼓座か、はたまたオナラスターマインか。あまりに当然のようにするので、終いには「いやあ〜!」も舌打ちもしなくなる、という寸法。

 

朝食は6時からなので余裕。だが、荷造り洗顔若干の化粧をし、食堂へ降りたのは6:12。先客は車遍路らしき年配の三名。鮭、佃煮、海苔、ゆで卵、キンピラゴボウ、ジャコオロシ、香の物、御御御付けなどの、日本の正しい旅館朝食。パクパク食べて互いに、その食べっぷりを称え合う。

 

07:12  支払いをして宿を出る。目の前が46番 浄瑠璃寺。ここへ来たのは三週間前か。御参り手順を説明しながら、ギクシャクと一通り。彼女にも仏足石に裸足で乗って!と健脚交通安全祈願。そして仏様の指紋を撫でて文筆達成祈願だったか。弘法大師は諺になるほどの達筆家(?)あやかりたい二人。

 

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07:33 駄法螺をしているうちに、10分で47番八坂寺着。途中、面白い石。

 

名も無い神社(文殊院と間違って)と文殊院に立ち寄る。お腹が痛い。朝してきたのに。我慢をし、08:44 四国巡礼始祖の衞門三郎にまつわる札始大師堂へ。だが御参りより何よりトイレに!数分後またコンビニでトイレ。そこから小一時間で、10:40  49番寺  西林寺。着く手前で保育園児の散歩に遭遇。

 

名前で呼びながら「どこまでいくの?」などと話しかける。園児たち、驚愕の表情。コウヘイ君は代表するように「なんで名前知ってるの⁉︎」と反応。ふっふっふ。答えは君らの頭上。帽子に、小さく名札が付いておるのだ。園児脅かすに刃物はいらぬ。ひらがな幾つか読めりゃいい。

 

寺は広々した清々しい印象。 

 

御参りを済ませ、トイレ横で一服。そこへ年配の婦人がやってらした。いきなりリュックを下ろし、ラスクの入った袋を一人にひとつ下さる。お茶も一本しかないけど二人で、と下さる。同行のHにとっては初お接待だ。良かった。お話を伺えばお婆さんは、もともと札幌の方。御子息を亡くされ何回か遍路を経験しているうちに、此方へ来ようと決めたという。知り合った人に土地を世話すると言われ、帰ってすぐに旦那さんは荷造りを始めたとのこと。数年前に御主人を失ってから、ココへ日参してお遍路さんの接待をするのが習慣となっておられるそうだ。お遍路さんとの貴重な出逢いエピソードなど伺う。もうじき80歳とは思えぬ若々しさだった。納め札頂戴というのでお渡しした、きっと、たくさん貼って日々の励みにされているのだろう。

 

生きているということに必要な何かは、一人で得るのは非常に難しいのでは、という話などHとつらつら。

 

うれしい出逢いではあったが、時間が…。そして1.7km先の繁多寺へ。

 

予定では52番まで行って、道後の宿「あたたかい宿 谷屋」に行く筈だったが、51をクリアして、直ぐに道後に行けばオンセナートの草間彌生の部屋見学に間に合うのでは、と思いHに提案。そうしようということに。かくなる上は、ピッチを上げるよ。45分で3kmペースで行くからね。と、早足に。

 

時々「だいじょぶ?」と問えば「だいじょぶ」と答える。こだまでしょうか?

 

そして、うまいこと13:02   51番石手寺に。運悪く団体遍路が到着。かいくぐって御参りを済ませ、納経で待たされたが、なんとか13:19山門を出る。運良くタクシー会社が横に!一路、宝荘ホテルへ!間に合った。草間彌生の部屋は宿泊にも使われるので見学は14:00までなのだ。

 

見学を申込み、しばし売店を眺める。水玉タイツ5000円以上には吃驚。

 

時間が来て、7階に案内される。まずドアが水玉。

 

ドアを開けると赤水玉世界。バスルームはクリーム色にシルバーの水玉。ベッドも赤地に白チビ水玉。壁には若き日の彌生ヌード写真。枕元には靴…じゃなく半立体の赤水玉ハートオブジェLOVE  FOEVER。タイトルは直筆文字ヘタクソ可愛い。天井に目をやればグリーンの人工芝に反射する銀色の球体がビッシリぶら下がっておる。よく見るとそこには自分たちの姿が映り込んでいるのだ。タイトルは「深夜の憂鬱」的なものだった。うーむ。深い。

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次の和室を開けると、黄色カボチャ世界。テーブルにはハートネオン。押入れを開けたらば水玉マネキンファミリーが!キモッ!ひとつひとつに楽しいオドロキがある。窓際の椅子とテーブル空間はブラックライトで浮き上がる色とりどりの水玉。他にも扉を開くと楽しい作品が多々。6〜7人の見学者は思い思いに記念撮影など。

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いやあ楽しい。一室78000-だが、週5位の稼働率だそうだ。

 

大いに満足して辞す。

 

我々は道後温泉横の地ビール屋で、乾杯。じゃこ天、鯛茶漬け、他。会話が弾む。

 

子規祈念博物館は後回しで「あたたかい宿 谷屋」へチェックイン。

 

お茶とお菓子を戴いて入室。キャーキャー入浴。様々な処に俳句が。

 

六時前酒買い出しに出て、カラクリ時計も見て満足。