■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

《遍路16日目》 国民宿舎土佐~36番 青龍寺 巡航船 経由 先祖供養 柳家旅館 家族の歴史

 

▼1/18 土曜日

 
深夜に目覚め、再び寝入る。目が覚めたら7時を回っていた。焦って身支度を整え朝食。
 
荷物を詰め込み出立。
 
昨日の登りは車道だったので遍路道を下る。少し樹々の急な坂を下るといきなり竹林。この竹の生命力は、まばゆいばかりに迫り来るものがあり、ハッとする。
f:id:okkachan:20140118193230j:plain
 
各お寺の本尊や真言、御詠歌を改めて眺める。1200年の時を超え今に通ずる人々の様々な祈りを思う。
 
ご詠歌
こをうめる そのちちははの おんざんじ
とぶらいがたき ことはあらじな
木々の息吹を感じつつ気持ち良く歩いた。しかし、足が痛み出すのが早い。大丈夫か。
 
宇佐大橋を渡り折り返すように進む。先達仙人の勧めに従い埋立というところから須崎市運営の巡航船に乗る。乗客は、たったひとり。最初だけ右行ったり左に行ったり景色を楽しんだが、座っているうちにウトウトしだす。夢のカケラを幾つか見た。。夢見てるのに目覚めてる。とか、思いうとうと。
 
約一時間で横浪到着。当初は今日の宿に早めに着いてから、ファミリーヒストリーを探訪しようと思っていたが、遠縁の案内の方が一も二もなく「船を降りたところに迎えに行きます!」と仰るのでそれに従った。
 
今回お世話になったKさんは、我が家の直系ではなく、三代前にF家に嫁いだ人の末裔なのだ。
 
北海道に入植した曽祖父は次男で、長男が家を継ぐ前提で来たのだが、その長男は朝鮮戦争で戦死し、家系が絶えてしまったのだった。
 
入植した曽祖父は二度と故郷に戻ることもなく、父の兄弟たちも訪れることはなかった。無論、その子孫の我々も、全く付き合いもなく、それを省みることもなかった。二十数年前、関西に住む私たちの従姉妹が、とある霊能者にご先祖様をキチンと供養していないのではないか!?と託宣を受け、初めて戸籍を辿って墓のある場所を探しに探したそうだ。
 
血縁は途絶えていたが、近隣に住む90歳のお婆さんが、当時北海道に入植した人がいて、その家の墓はどこそこである・・・そう記憶しており、荒れ果て、草茫々の墓地を見つけることができたそうだ。幾つかの墓は、一つにまとめて建立し、残っていた墓も綺麗に整理したとのこと。移設しようにも、宗派が違い簡単にはできなかったらしい。
 
その後は、別の従兄弟や伯父が数人訪ねたことがあるが、墓守りは遠縁のKさんがお彼岸や、お盆にして下さっている。ということらしい。
 
自分やオジ、叔母らに似た顔の末裔などがいたら楽しいだろうと、思ったけれど、そういうことはなかった。けれど、その遠い先祖の暮らしていた里の風景を知り、墓を訪ね、とても敬虔な思いを味わった。自分が何処からやって来たのか、それを知り祖先に額づくことができて、本当に良かった。
 
明日からの遍路も祖先の冥福を心から祈ろうと思う。
 
++++++
 
再び船着場に送って頂き、今日の宿まで一心に歩いた。
 
f:id:okkachan:20140118205517j:plain        f:id:okkachan:20140118205543j:plain       
 
歴史ある遍路宿で安らいだ穏やかな気持ちで眠ります。
 
明日からは、フルタイム遍路!38番岩本寺まで、約30キロ。心してかかります。