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日々のタワゴト                  

根というもの

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・邦画を彩った女優たち「もっと演じたかった 女優 田中好子」を見た。病に苦しむ弟さんを持ったこと、映画「黒い雨」での役作りや、苦労して挑んだ四国巡礼の場面が全てカットされてしまった話など、そうだったのかぁ!と思いながら見た。お葬式でのご本人の声を、また聴き、その辛いことに培われた優しさにシミジミした。

浅野忠信FAMILY HISTORY やっぱり、ある日突然に、この世にポツンと産み落とされてしまう人間にとって、ルーツを知ること、自分が愛され望まれた存在であると知ることというのは、深い深い安堵をもたらすものなのだ…と再認識。

私は、どこか深いところで浮浪雲の根なし草で、そういう自分を諦めているのだけれど、こーゆー思いはどこで生まれたのだろう、と、自分をいぶかしくも思ってきた。

角田光代『月と雷』は、そういう、ある日突然今までの暮らしを放棄して蒸発してしまうような「ダメな人」の話で、この「ハッ!」とする感じは、こういう魂の人間にしか分からないだろうなぁ、と思ったのだった。

そして、永山則夫のドキュメントも、余貴美子ファミリーヒストリーも、螺旋状に、私の、その思いを深くしていった。いつか、自分も四国にルーツを探りに行かねばなるまい。

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月曜日、娘たちと孫を伴い父の顔を見に行った。

目を覚ました父の表情は点滅してピカッと灯る蛍光灯のようだった。いつもはジワーッと点くトイレの電球。

ふくろうのように「ほーほー」言いながら曾孫を抱いた父は、「おおお、重いなぁ!鉄の様だなぁ」とノタマッタ。鉄って、あんた。。。

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そして、皆、帰って行った。

建築小説『火山のふもとで』の風味が、かなり気に入っている。読み終えていないのだが、しばらくしたら、また読むと思う。

積読本が溜まっている。

今朝の朝刊によれば、昨年は国民一人当たり5.6冊本を借りたそうで、過去最高だとか。以前は、そこに宝の山があるのに何故みんな行かない?と、パチンコ屋のことを思っていた。今は、図書館のことをそう思う。利用者著作権料を負担するようになったとしても、通うと思う。