■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

円を描き切る

▼8/23

カメムシ会の友らと逢った。それぞれの近況家族の近況、次回カメムシ企画の相談やら。

時とは過酷なもので、某友人が15年?飼っていた犬が亡くなった。もちろん、時の厄災は平等に我々にも降りかかり、かつて教室で肩を並べた女子高生であった私たちも順調に年を重ねた。皺が増え体が弛み、良く言うならば円熟してきたともいえるのか。いささか熟々だが。

話の流れで「もう未来を思い描くことは稀で、回想ばかりの地点まで来てしまったね」と最近の感慨が口をつく。本当に、もう色んな事を「お終い」に向けて考えなくちゃいけないのだろうなぁ。

し‐まい〔‐まひ〕【仕舞(い)/▽終い/▽了い】

1 物事が終わること。物事をやめること。「これで―にする」
2 物事の終わりの部分。最後。「本を―まで読みとおす」
3 品物が売り切れてなくなること。「今日はいちごは―だ」
4 化粧をすること。〈和英語林集成〉
信用取引や清算取引で、転売または買い戻しによって、取引関係を精算すること。手仕舞(てじま)い。
6 節季、特に年末の収支決算。
7 処置すること。始末。決着。→じまい(仕舞い)

能の「仕舞い」が語源に関係しているのかな?と、調べてみた。明確には判らなかったけれど次の言葉にヒントがあるように思う。

柳田国男の論を受けた渡辺保によれば、「踊り」が飛躍や跳躍を含む語であるのに対し、「舞」は「まわる」つまり円運動を意味する語である。 能の舞の特徴は、極端な摺り足と独特の身体の構え、そして円運動である。

    • どちらの引用もgoo辞書より

ある点から、ひとつの円を描きはじめるならば、円を描き切り、一周して最後には、もとの点に戻る。これが、お仕舞(終い)に通じるのでは、と。

七月二十八日に亡くなった件の犬はメロディという名であった。大人しく賢いと言われる犬種なのだが、彼女は実に落ち着きのない間が抜けたワンコで、私が訪ねると飛び上がり、吠え、舐め、おまけに背中をくっつけあって添い寝までしてくれた。

賑やかな旋律を奏で、そして演奏が終わった。

メロディは、もう聴こえないだけれど、気持ちの中では音楽が鳴っている。犬なのに、人柄の印象を周囲のものに濃く残したワンコだった。

///

本メモ:三木卓『K』角田光代『月と雷』どちらも自分にとって非常に印象の強い心に残る小説だった。色々思いが湧き上がって感想を残したいと思ったけれど。そのうちに気が向いたらココに数行加えるかも。


数日前に、途中まで長々と書いた日記は、下書き保存したはずが、どこぞのブラックホールへ消え去った。