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日々のタワゴト                  

碧眼の赤ん坊、そして「生血」

▼7/28・29

まだ青みがかった目で、しっかりと私の目を見る赤ん坊は、私の口から出る言葉を音楽を聴くように聴いている。そして、ちっこい口をちょっと開いて可愛らしい舌を覗かせながらニッコリ笑う。わかっていても、わかっていなくても、この頭オカシイばあさんは君に話しかける。分別なしだ。あたりまえだ。佐野さんじゃないが、分別なんかつけてられたら子どもなんぞ産んでない。だから孫も見られなかったはず。馬鹿で正解。馬鹿は楽しい。

孫とバイバイして夫の送りで街へ。

友人と狸小路で待ち合わせ映画を見る。宮本百合子湯浅芳子の出逢いからロシアへの道行きまでの物語。が、現実には百合子はロシアで邂逅したマルクス・レーニンに染まり宮本顕治の妻となる。絵本の「めでたしめでたし」は、当てはまらなかった。嫌われ蔑まれても齢九十となるまでも百合子への誠意を失わなかった湯浅芳子には感動する。ウットリをあと大匙二杯足して欲しかったが。上映後の監督を交えての茶話会に参加すべきか躊躇して結局参加はせず。伊藤比呂美さんがイベント参加した時、どのようなコメントをされたか伺ってはみたかったのだが。うむ。自分の寄るところに自信がないのが原因かも。どっちつかずの、性根の座らぬヤツである。

その後、大通り公園の大きな噴水の横でしぶきを浴びながら、ハワイアンやフラを見つつ麦酒を一杯。陽のあたらないとこへ逃げようや、とアピア昼居酒屋にて数杯杯を傾ける。最後の方で彼女の息子さんもカザる。彼女が席を立った時に、あーゆー良い母さん持ったらさぁ、危険だからね。気つけなよ。コンコンとマザコンになるんでないよ。マザコン最悪だよ。と、諭す。が、「なかなかの審美眼だね」とワシにノタマウ。奴はすでに重症のママ大好き息子なのだった。時すでに遅し。わはっはぁ。まあ、いつか嫁と母の板挟みにあったら、おばちゃんが仲裁してやるよ。相談しにおいで。

上野さんというガーデニングカリスマがデザインしたというエスタ屋上の空中庭園を見てみた。へえ〜っ、って感じ。あんなところに、あんな空間があるっていいわー。ビルの谷間の空間に猫ジャラシ。買い物に疲れたら、ちょっとの時間あそこで本を読むのもいいかも。無料だし。今度は夕方から夜にかけて行ってみたい。

バスを降りたら夫が正面から歩いてきた。「え!歩いてきたわけ?」ぽかんとした。「なにさ、お父さん、そこまで、あたしのこと愛してたのかい?やいやや、そうかいそうかい」と思ったが、違った。いや、違ってこそいないとは思うが、迎えに来たのではなかった。これからすすきのでの宴会に向かうのだった。

らっきぃ。なんもしなくていい。なんもしない。そう決めて、セブンでサバ水煮缶を買って帰る。そいつを大根千切りと和えてマヨとラー油。梅ジュースや麦酒を飲む。

七時からの又吉参加の文學ユースト耽美編はなかなか面白かった。あまり虫が好かなかった平野啓一郎が、実は感じいい人だった。収穫。それと、文學アイドルも初めて知った。シモネタ多いが大学で講義できそうに詳しかった。田村俊子の明治女が男を蹂躙する話「生血」読んでみよう。