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日々のタワゴト                  

いのちの夏

▼7/ 〜7/31

先々週は雨ばかりで、草たちもグングン成長したらしい。公園を散歩していても、配達でJ隊に行っても、どこも草刈の真っ最中。あたりが、草いきれでいっぱいだ。夏の匂いの中を歩きながら考える。今が人生で一番歩いている時期なのかも、と。ゴルフ場の仕事も好きだったし、私は、お日様の下で動いているのが性に合っている。朝の緑の中にいると、本当に美しいなぁと思う。

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午前の仕事で運転をしながら聴くのは、NHKラジオ。夏休みが来て。ラジオこども科学電話相談になっている。今週は2日ほど、回答者に、あの中村桂子さんが登場していた。

「いのちって、どうしてあるんですか?」
「なぜ、いのちには終わりがあるんですか?」
「一番最初の命は、どこから生まれてきたのですか?」

中村さんへの質問は、どれもこれも超難問だ。

それらは、この中年のオバサンにとっても、未だに解けぬ疑問だ。中村さんは、生命科学者として、どんな質問にも、実に誠実に応えていらした。「○○くんこんにちは。とても難しいモンダイですね。私も、○○くん位の時から、そういう疑問を持って、そして今も、そのことを研究しているんですよ。今日は一緒に考えてみましょうね」そんな風に、科学的、かつ真摯に。そうして、ときには、植物学の先生や、動物に詳しい獣医さん、昆虫学の権威なども、角突き合わせて、たぶん冷や汗を流しながら話していた。そういう疑問を持っていたことすら忘れがちな、大人にも、とても良い時間であった。

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前回のカメムシ会で、とある友人のお父さんが亡くなられていたことを知る。私が一番K町に帰る機会が多いので、香典を友人らに託されていた。

その訃報の真偽も今一つ不明だったし、肝心の友人とも、あることがあって以来、すっかり疎遠になっていたので多少躊躇もあった。思い切って電話をして、やはり間違いないとわかった。彼女も忙しいながら元気に働いているようだ。

高校時代そして卒業後も、テスト勉強だ、夏休みだ、なんだと、たびたび押しかけお世話になった私たち。娘の友達が集まると、お父さんは、ニコニコと煙草をくゆらせながら様子を見守って下さった。あるときは、雪の中でジンギスカンをしようという私たちと一緒に、というより先頭に立って雪山に穴を掘り、ブリキのストーブや煙突を用意してもくれた。

今は、友人も遠い街に暮らしているし、お母さん一人で住まわれている。遺影の笑顔は少し白髪が増えたくらいで、当時と変わりない。ありがとうございました。という気持ちを込めて御線香を上げ、手を合わせてきた。考えると三十数年前のお父さんお母さんは、今の私たちより、随分若かったはずだ。昔の大人は、本当に大人然としていのだな。そう思う。きっと、そう遠くないうちに、彼女とも、また、あの頃のように逢えるようになるんじゃないかな。そんな気がしている。

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父が八十四歳の誕生日を迎えた。

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読了本
アダルト・エデュケーション香具師の旅 (河出文庫)身体のいいなり












それぞれに面白い。やはり人間は面白い。

読書中誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」)