▼7/4 月
目覚めると雨が降っていた。今日から夫は演習。罰当たりだけれど、永遠にいないとなると寂しいが、短期の不在は正直うれしいのだ。
先日の七輪焼肉で焼きおにぎりにした出汁入りの残りご飯に長ネギ・ベーコン・生姜・卵を加えチャーハンを作り食べる。余りはオニギリに。牛乳二杯。
財布の大々的な捜索を行うも発見には至らず。
午前の配達仕事に出る。雨の勢いがどんどん激しくなる。不安。カーラジオでは日本中の全四百数十島の写真を撮った写真家さんのお話。
この島は実はニューギニア近海にあったもので、年に数センチずつ移動し現在の位置まで流れてきたのだとか、風が強いとか、深海魚の刺身がバカウマとか。東大東島のお話を聞きながら、この島で働いていたMちゃんを思う。
「そうだ!」と思い出す。桜を見に行って財布を無くした娘が、道警の遺失物情報で財布が届いていることを発見した云うのを。
おかげで、財布発見。
Sッチ抜糸。病室のベッドでいとも簡単にペンチというよりは毛抜き的なナニカで、抜いてくれたとのこと。
姉より、本家のホワイトアスパラ・落葉キノコ塩漬けなど届く。
出血。
▼7/5 火
とても暑い。配達中に某集合住宅ナナメ向かいの小学校から、一体全体ナニゴト!?な叫び声というか歓声というか「奇声」が膨大な音量で響き渡る。校庭の隅にあるプールが、スピーカーのように声を拡大しているのか気が触れそうなほど。よほど楽しいに違いない。大人も我慢したりせず分別なく、あんな風に叫ぶと精神疾患はずいぶん減るだろうな。「ロバの耳」という携帯版音声吸い込み装置が売っていたら結構売れると思う。馬鹿な上司を持つ会社員などに。
▼7/6 水
姪Sっチの病院通いも朝夕行く必要がなくなったので、久々の公園散歩。4キロくらいか。とても爽快。「朝日を浴び、肉体を酷使して汗をかく。私は、とても体に良いことをしたのだ。」そう思い込めるのが運動の良いところ。たぶん実際の効能より大切なのはプラシーボ効果のようなものだろう。それが微かなヨリドコロ。
▼7/7 木
- 作者: 斉藤博子
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▼7/8 金
石田千「あめりかむら」読了。初めての随筆単行本で魅了された独特のそぎ落とされた潔い文体は健在。しかし、小説という形になると、これまで見えなかった著者の「頑なさ」にジリジリ後ずさりするような心持になったりもする。学生時代に出会った嫌な奴「戸田」を許せずにいる自分の精神状態をとことん容赦なく描く。嫌な奴を嫌な奴と思う自分を嫌な奴と思う石田さんは、実際にはとても潔癖で純粋な優しい方なのに違いない。旅先のエピソードも張りつめた筋が緩むようで良かった。ただ読後感は、やや辛い。
▼7/9 土
今村夏子『こちらあみ子』読了。うーん。週刊ブックレビューでアシスタントの男性が「僕は、ひとりで、どこか遠い島に行ってしまいたくなりました。」と、おっしゃっていたのがよく解る。アスペルガーと思しき少女が主人公。三島賞受賞後のインタビューで見たように、この方の文才は天性のものという気がする。どこにも救いがないようにも読めるし、「(彼女だけでなく)ヒトは簡単に誰とも繋がれないのだ。『応答せよ』という投げかけの応えは『・・・・・・』しかないのだ。むしろ、そこからそれぞれの物語は始まるのだ。」という意味での前向きさが隠されているのかもしれない。大島弓子「キララ星人応答せよ」を思い起こす。選評など目は通したわけじゃないが小川洋子さんが推されたというのが、ちょっと判る気がした。あの方も、Aチックな一人遊び好きの冷たく乾いた世界をお持ちだと思うから。「ピクニック」も非現実的ながら興味深かった。
夜はカメムシ会えんじょい。悲しい話、めでたい話。あの赤ちゃんが、この花婿に!という早回しの覗きからくりみたいな、各々の四半世紀を思う。