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日々のタワゴト                  

好日

▼6/7

6時前に家を出る。青空が美しい。新緑も美しい。心の中にも6月の風が吹く。爽快なドライブ。

峠を越えると、くっきりと無言の蝦夷富士がソビエテいた。いつにもまして雄々しく頼りがいのある姿。高倉健のようだ。

実家にて父と朝食。ほうれん草・ホワイトアスパラ・ウドの酢味噌・鮭ハラス・山菜のお味噌汁・筋子など。うまし。

姉夫婦を送り出し、父と病院へ。診察室に入ると「まだ死なんかい」といきなり言うコマッタ患者。先生も慣れたもので、血圧を測りながら、ほら若者並でしょ。まだまだ無理だね。どうしても早くイキタイんだったら相談に乗るから。でも高いよ」などと返して下さる。採血の看護士さんも「今日はダイブ元気そうだね。」と声をかけてくださる。町医者のいいところだ。衣服の脱ぎ穿きを見て、私も父の元気が少し回復したように思う。

続いて歯科へ。診療が始まると外の階段で雑音交じりのラジオを聴きながらニセコ連山を眺める。診察を終えたらしき老齢の夫人が出てきて「山の雪もダイブ溶けましたね。あ、○○の木も芽が出ていますね。今日は、暖かくていいわぁ」と話しかけてくる。「きれいですねぇ。山は美しいし、空気はおいしいし、本当にこの町はいいところですね」と、言ってから、これは、明らかにヨソ者的な発言ではないのかな。と、気付かされる。足しげく通う大切な故郷。だが、もはや外からの視点になっている自分が、少しばかり寂しいと思う。

お昼頃、姉よりメール。

「件名:終わった(ピーズサインの絵文字)」を見て、ホッとする。
「本文:たぶん良性だろうと思うということです(ピース)」

気が張っていた身体の緊張がサーッと引いて緩む。安堵。。。

「20日入院27日手術です」

頭蓋骨に穴を空けて5センチ位の腫瘍を取り除く8時間に及ぶ手術と聞く。ともかく予断は許さないけれど、医師は多くは語らずキッパリと自信を伺わせたという話を聞いて安心した。

急に気温が高くなったので、父のために冷汁を作ろうと買い物に出る。きゅうり、みょうが、大葉、胡麻、白だし、豆腐、夏みかんサワー。食の細い父が、んまい。うまい。と食べてくれて、私もうれしかった。

月曜の夜は、電話で「あんたはダイジョウブなの?」と聞いたときは
力強く「ダイジョウブ!」と応えていた姉だが、昨夜、話を聞いた時には、

『黙っていても、もしかして……と思うと涙がダラダラ出てくるんだよね。ヒトにも「いい子だよね。好きだよ」とか、よく言われてて、それなのに、こういう子こそ早く逝ってしまうのかな。とか・・・さ。。。けど、センセイの第一声が「良性だと思います」だったから、それ聴いただけで、まずはホーっとしてさ、荷が下りたわ」と姉は語った。話しながら急に卓上を片付けたりし始めたから、多分感極まって、また涙が出てきたのだと思う。私もグッ、となり、視線を逸らした。

twitterで報告した時も、みなさんから「いがった」「いかった」「良かったですね」と声をかけていただき、ありがたかった。こうして会ったこともない方々と電波を介して気持ちのやり取りができるなんて、インターネットとは本当に不思議なものだ。

全部まとめて良い一日だった。