▼5/12
配達中のこと、4歳くらいの女の子が歩道に屈んでいた。
薄桃色のジャージを着た可愛らしい子。
私が通りかかった丁度その時、その子は急にジャンプした。
伸びあがった女の子の上から薄桃色の何かが、ぱーーっと舞い散った。
そう、桜の花びらを拾い集め、それを頭上から降らせて遊んでいたのだ。
「わ〜〜〜っ!!!きれいだね〜!」
声をかけると恥ずかしげにお家の方に逃げ去ってしまった。
夕刊の配達を終え、下の娘と映画。『ブラックスワン』『八日目の蝉』『岳』が候補だったが、評判の良い『岳』にした。
なにしろ山が美しく、それだけでも価値がある。また見るだに過酷であったろうリアルな登山や救助の姿に感動できた。大自然に身を置きたくなる映画だった。
何年か前に友人の息子T君に原作を5巻くらいまとめてプレゼントしたことがある。この「三歩」という主人公はある意味、私の理想の男だ。山を走って登る体力があり、他人をけして責めず、大きな心で、無謀な登山者にも「よくがんばった!」と労いの声をかけ、「雪が溶けたらまたおいで」と、暖かく包む人。切り立った崖にブランコみたいに、ぶら下がったまま、コーヒーを飲み月を見る。早く生まれ変わらないかなぁ。一度でいいから、こういう男になってみたいもんだ。
もっとヌボーっとした俳優を想像したが、見事に演じきった小栗旬はスゴイと思った。また、キレがなくてあまり好きなタイプじゃない長澤まさみも、クレバスでの救出シーンなど健闘していた。相当大変だったとろうに、と思う。
「山に登りたくなったね」と話しながら帰宅した。