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日々のタワゴト                  

おばさんの長靴

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我が家に愛用の長靴の二代目がやってきた。とても嬉しい。

初代は20年以上前にアリスファームで買ったもの。馬の顔が三つ並んだマークのミツウマとアリスファームの藤門氏がコラボして米国の消防士の靴をモデルに製品化したそうだ。当時で約一万円だから、けして安いものではない。だが、この靴とは随分色んな時を過ごしたので、もはやタダの靴ではなくなった。

一昨年、横っちょに少し亀裂が入ったけれど、いつの間にか水が浸みなくなっていた。自転車のパンク修理用品を使い夫が修理してくれていたのだ。だから未だに現役。モノを与えると直ぐに壊すかなくするかの自分にとっては、例外中の例外的に長いお付き合いの品なのだ。買ったのは、お腹が大きい時だったから23年以上前?と思っていたが、アリスファームの看板前でランクルのボンネットに座った写真を確認したら横に長女が座っている。身籠もっていたのは二人目の娘だったのだ。それにしたって20年は随分長い月日だ。

普通の長靴の寿命は案外短い。ゴルフ場を毎日歩き回っていた頃は、安物とはいえ、わずか三ヶ月くらいで簡単に穴が開く長靴に業を煮やしたものだ。

だから、この初代には大いに愛着があった。どこかで入手出来ないか?と調べたことも一度や二度ではない。ファーマーズブーツという正式名称を知らなかったのでナカナカ情報も得られなかった。やっと、この靴が復刻されたのを知ったのは昨年。だが二万以上という値段に躊躇。しばらく悩んで、それでもネットを介して注文。したつもりだったのに、いつの間にか忘却。たぶん操作を誤ったか届くことはなかった。

先日、雪灯りの路というイベントについて調べたところミツウマ関係者のブログに流れ着いた。残念ながら、すでに小樽工場での長靴製造は全て中止されていた。なんとか手に入れる方法はないかと伺ってみると、販売しているところを見つけて下さり注文に至った。収入源がほとんどない今の自分には贅沢品なのだが、こいつも20年もつならば、きっと死ぬまで履けるってこと。それなら安いものだ。90まで生きるなら、念のためもう一足か?とも思ったが、さすがに、それは欲張りすぎと思い、よした。

この靴で雪投げをしよう。山菜も採りに行こう。魚釣りにも行こう。孫と一緒に雪だるまも作ろう。真っ白い髪で、腰が曲がった自分がこれを履いて雪道を歩く姿を想像すると、なんだか愉快になってくる単純な私だ。