読書生活も、どうも滞ってばかり居る。なのに今日も本を買ってしまった。といっても不要本コーナーでのことなので50円。
とても古びて繰り返し読み返されたに違いない昭和45年刊行の『尚武のこころ』という対談集。目次には
・サムライ
・刺客と組長
・剣か花か
などの象徴的なワードが並ぶ。
こういった古い本は書体も古くさい。跳ね、はらいなどの線が、やたら自己主張が強い。「こ」などは上下の線が完全に繋がっているのだ。読み辛い。しかし、風情がある。
だが、私が大いにヨロコンダのはコレだ!
見返しに新聞の切り抜きが貼られていた。
対談相手は鶴田浩二・高橋和巳・石原慎太郎・野坂昭如・寺山修司など。
自決の日のこと、を鮮明に覚えている。
よその大人は
「完全に狂ってるもな」「そうだそうだ全くだ」
と会話していた。
だが、
「それは違うだろうな。この人は凡人には考えられないナニカを深く深く考えているんだろうな」そう確信しながら家具調テレビの画面を眺めていたことを。