■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

▼11/13 木



母、人工肛門の手術日。

仕事は、郵便物けっこう多め。Tさんに、今日が手術なので早退予定である旨伝える。

午後からの配達分、ほとんど特区を終えたTさんがたぶん昼休みもつぶしてコダテ応援してくれて3時には職場を出ることができた。

残念なことにタッチの差で母が手術室に入る前は逢えず。


3時45分に運ばれていったが、なかなか戻ってこない。私たちが待機していたのは術後回復室近くの待機所。まずは、いままでの生活レベルについてのアンケート3枚ものにみんなで答える。住んでいるのはどんな家か、とか、一人で風呂に入れていたのか、立ち上がるときに介助は必要か、座るのはどうか、同居している家族の構成は、退院後介助者はだれか、意志の疎通はできるのか、耳は聞こえるか、目は見えるか、家に段差はあるか、そのほか、ありとあらゆる観点で話し合いつつ回答。

その後もK町の病院は合併症への対応が悪いとか、信用ならんとか、ウィークリーマンションを借りてはどうかとか、いろんな話。明日、朝から仕事があるものもいるし、電車は最終が9時半だし、それまでに戻ってこなかったらどうする?ホテルこの辺にある?という話など、おばさんたちの会話は、たいそうかまびすしい。私は途中で椅子3個に横になる。昨夜3時間くらいしか寝てないし、眠ろうと目をつぶるが、眠れず。その間、一枚二枚三枚・・・4枚・・・まで、色んなものを体に掛けられる。しまいにゃ、おしぼりサイズのタオルまで。笑いそうだったがしばらくは黙って目をつむっていた。

待って待って待って、やっと8時半に「今、回復室に戻ってきますので。」と、呼ばれてエレベーター前で待機。

エレベーターの回数表示が1.2.3.4.5.・・・と、上がってくる。そして「7」が点き、エレベーターが停まった。

水色の手術着姿の人たちが5〜6人。ストレッチャーにのっかった母を運んできた。なにか掛けられてはいるが、両サイドからすっぽんぽんの体が見えている。がっちり目をつぶっている。上の姉が「ばあちゃん」と声を掛けると、母は「バチッ」と目を開いた。そして、ぶっとくて短い右腕をふりあげた。あんたはチャンピオンかっ!?と、突っ込みを入れたい仕草。

センセイに「今、身支度や処置をしますので、もう少し外でお待ち下さい」と、シャットアウトされ、ブラインドとカーテンが閉められた。

また待機。

そして執刀医から状況の説明。手術はうまくいき、「無事に人工肛門を作ることができました。このあとは合併症に気をつけて見守ることになります。それと、血栓が脳や肺に飛ばないように血液をサラサラにする薬を投与しています。出血は多くはなりますが、それは輸血等でも対応できますので。」と説明。

そして、それぞれ「無事だったよ」メールや電話。

ふたたび「支度が終わりましたのでどうぞ」と、声が掛かって、わらわらと母の横に。

「えらっかたね」「がんばったね」とボードにも書いて示す。それを見るや母はタオルケットの下からモゾモゾモゾ。と手を出した。そして両手のこぶしを握ってブルブルさせ、入れ歯をはずした酸素マスクの中の口で、もごもごと「ファイトーー!」と叫んだ。「イッパ〜〜ツ!!」と答えこそしなかったが、そういうしかないような気合いの入り振り。わけわかんないし。。。なんだっていうんだろ、この滑稽さは。

その後も、まだ興奮が収まらないようで話も良く聞き取れなかったのだが

「もどってこれないと思った」と、いうようなことを口にしていた。

ともかくハードルを一つは越えた。なんとか一安心して家路につくことができた。