■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

▼10/25 土



仕事後、娘と待ち合わせ。高級焼鳥屋 にて 軽く一杯。ズッキーニ串焼きが一番美味しかった。

シアター・キノにてhttp://intothewild.jp/top.html:イントゥ・ザ・ワイルド」]を観る。

原作の「荒野へ」は全米でベストセラーになったドキュメンタリーだそうだ。

以下ネタバレ。



大学をオールAという優秀な成績で卒業した青年が、貯金は全て寄付、車も乗り捨てて、人生の意味を問う旅に出る。彼を究極の旅に駆り立てたのは両親の不和、社会の欺瞞性。読書家でもある彼は古今東西の本の中から、人生の「真実」を見つけるべく心に刻みつけ、そして自らの肉体を賭した経験により、「本当のこと」を知ろうとする。ヒッピーのカップル・農場の経営者・自分の歌を歌う少女・孤独な老人らとの出会い、そして別れ。最後は、ひたすら「北」へ。アラスカへ。金も持たず猟銃で撃った動物と、植物辞典を参考に採集した植物とだけで生き延びる彼の運命や如何に!

少しばかりアルコールが入っていたせいもあるのか、泣けて泣けてしょうがなかった。腐れ求道者である私にとっては、どこもかしこもがココロに突き刺さる映画だった。主人公の旅への決意は、少々青臭く「持ち金や車を捨ててみたところで、今生きている、あんたのその体は軽蔑する両親の稼いだ金でできているんじゃないか!?」と、思いもしたけれど、青年のやむにやまれぬ「真実」への渇望には、正直震える程にヤラレていた。

広大な自然が織りなす四季折々の神々しいばかりの光景と。なにひとつ持たない青年の対比は、象徴的だ。旅への最後に出会った孤独な老人に青年は大きな刺激を与える。自分のカラに閉じこもっていないで「新しい経験」をするべきだ。そこから人は変わる。老人は目を開かれる。

老人は無神論者の青年に、究極の体験をして、それでも生かされていることを知ったとき、ヒトを許し。感謝に包まれ愛し大いなる存在を感じることができるだろう。と語った。

もしも彼の旅が成功したならば、そういった、もうひとつの幸福な結末を得ることができたのであろうか。

だが、悲劇ではあっても孤独な哲学者は幸福とはそれを分け合うものがいることだ、という言葉を残した。

久々に、本当に、感動した。映画の余韻が「漂泊の思ひ」となってひゅるひゅると木枯らしのようにココロの中を吹き荒れている。

本:『女の絶望』比呂美節サイコウ。彼女が女たちに与えるメッセージは、いつも「それでいいのだ!」ってことだ。更年期も性の不和も、老いも、全てを厭わしく思ってしまう自分もスベテ許してしまえ。あんんたたちは、良くやっている。と、語ってくれる。やっぱ、この人が好きだ。