■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

<あし【足】>p.35



(特に人間の)足首から下の部分。「―の裏」

漢字の下部をなす構成部分。「思」の「心」、「熱」の「れんが」など。

雨の降り落ちる形を見立てた言い方。

足のようによく動くからいう) 流通のための金銭。

―が地に着かない ―が付く―が出る ―が棒になる ―が向く  

―の踏み場もない―を洗う―をすくう―を運ぶ―を引っ張る 

―を踏み入れる ―を向けて寝られない

     *   *   *   *   *

私の足は、甲高で幅も広いし指もずんぐりして短い。ペディキュアなんて絶対に似合わない。指先の傾斜も少ない方だ。だから、大抵の靴が足に合わない。これは、いいかも・・・と思っても、少し歩くと、もう足のどこかが悲鳴をあげる。颯爽と闊歩したいと思っても、このやっかいな足が足を引っ張るのだ。

生来の好奇心と辛抱の嫌いな性格で、なかなか足下を固められずに、世間様からは「地に足のつかない奴だ」と思われていたに違いない。

足の向くまま気の向くまま歩いていたら、ある時、足をすくわれた。過喚起症候群になったのだった。恋愛の失敗、仕事が変わったばかりで無理をしたこと・・・そして、こんなことをしていて私はどうなるんだろう。という漠たる不安。今にして思えば、それが原因だったのだろう。足をすくったのは他ならぬ自分だ。

手も足も痺れ、すっかり冷たくなり、救急車の中で「私は死ぬのだろう」と思った。病院で「何かイヤなことが合ったんじゃありませんか?」と言われてもハッキリと原因を意識できない。それほど疲れていたのかも知れない。たぶん頭の中が、足の踏み場もない散らかりようだったんだと思う。治療法がビニール袋を口に当てて呼吸するという間抜けな方法で、それでも、ちゃんと直った。

夫との出会いは、そのことの直後。根無し草の自分は、やっと地に足をつけた暮らしができるようになった。

数々の不満はあれど夫と子どもは、ほっとくと空に浮かんでいきそうな私の錘になってくれているのだろうと思う。


持て余し気味のやっかいな足も、通販生活のヤコフォーム靴で、やっと自由に歩けるようになった。

予算から足は出たが・・・。