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日々のタワゴト                  

<すじ‐こ【筋子】>p.1287



サケ・マスの未熟な卵を卵巣のまま取り出したもの。また、それを塩漬にしたもの。すじひき。すずこ。イクラ。

イクラ【ikraロシア】(魚卵の意) サケ・マスの卵を塩漬けにした食品。日本では、すじこに対し成熟卵を卵巣からばらばらに搾り出して作ったものをいう。

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スーパーで生の筋子が安かった。三腹ミハラぐらい(つまり6本)で千円だった。買ってきて早速醤油漬けにしてみた。以前は必ず卵をほぐして漬けていたが、ちょうど食べよいくらいに切って漬けると食べるときに、いちいちスプーンで掬わなくてもいいので便利だと聞いて、この方法にしてみた。

みりん・酒・醤油を好みの割合で入れて冷蔵庫に放置する。一晩たったので、今朝食べたがなかなかの味である。

母が浜衆(浜育ちの人)なので、実家の冷蔵庫には必ずと言っていいほど「たらこ」「筋子」は常備していた。

今も実家にはいつもあるが、自分で買い物に行くと結構な値段なので強いて買わないのだ。くだものもそうだ。とてもじゃないが手が出ない。

「では食べないのか」というとそういうことはなく、実家でもらってきて食べる。という卑怯な手段に出ることが多い。パラサイトシングルじゃなくて、パラサイトダブルである。恥ずかしいことだとは自覚しているのだが「持ってけ持ってけ」と言うのを良いことにもらってくる。

土曜日も「芋・南瓜・メロン・ぶどう・はちみつ」などもらってきた。

筋子のことを子どもの頃は、「すずこ」と言っていた。鈴のように卵がついている・・・イメージだった。正しくは筋子なのだと知ってからは「なんだなまってたのか?」と筋子と言うようになった。でも、辞書にも「すずこ」が載っていますね。井伏鱒二も、たしかそう書いていたような・・・。

今時期、鮭や鱒の登る川の上流に行くと、凄まじい光景が目に入る。川のあちこちに鮭の死骸が匂いを放って転がっている。

それは自然死もあるし、たちの悪い密猟者が筋子だけを戴いて身を捨てて行くからでもある。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もなし・・である。

鮭の産卵については三年生で学ぶらしい。以下は友人Uに聞いた話。

ある男の子がお母さん産気づいたので病院に家族でついていった。診察すると、まだ生まれないでしょう。というので、お父さんは「一旦帰って待とう」と男の子に言った。すると彼は何てことをお父さんは言うんだ!!と憤慨した。

「お父さんは残らなきゃ駄目だよ。

生まれたらすぐに白子をかけなきゃ!」