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日々のタワゴト                  

<えん‐そく【遠足】>p.278



 遠い道のりを歩くこと。また、日帰りできるくらいの行程を歩くこと。

 学校で、見学・運動などを目的として行う日帰りの校外指導。  春

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用事があって峠越えをした。名水で有名な京極町の吹出し公園の当たりでゼッケンを付けた人が見えた。(お!もしかして?)とゆっくり通りすぎると案の定母校の名がゼッケンに入っていた。

K中には、私が生徒の時にはなかった名物行事ができた。自分が教える側で勤めてみて、この行事に初参加した。

これは「耐久遠足」と言って蝦夷富士・羊蹄山を一周する遠足だ。

距離にして、最短32kmくらい最長42kmである。

朝の7時にスタートを切り、午後4時に到着していないと回収される。遠足だが脚に覚えのある人は走る。一番早い生徒は10時過ぎにゴールしていた。

しかし大半は歩くのでも精一杯。とにかく苦しいのだ。歩く気はあっても、豆はできる、靴ズレはできる、脚の痛み・・・。皆荷物らしい荷物はなくウエストバッグに、おにぎりとウィルソンぐらい。

昨日も、どの子も必死に歩いていた。徒歩指導の係りの先生は一緒に歩くので、なかなか辛いものがある。しかしなかなかできることではないので、私は毎年徒歩指導を希望した。

残りの距離表示の他に、ゴールがある程度近くなると所々に立て看板を設置する事になっている。

「ねばり ふんばり がんばり」

「この苦しみを乗りこえよう」

「ふりしぼれ力を」

などの激励の語が懐かしかった。苦しんで歩いていると、この看板さえもが憎たらしく思えたものだ。

忘れられないのは、中間地点でもらえる梨だ。もちろんナイフなど持っていないので歩きながら丸かじりする。皮ごと食べるのにものすごく抵抗があった。ところが!嘘みたいに美味しいのだ!生まれて初めて梨を食べたように感激したものだ。

羊蹄の色んな表情を見ながら、少し哲学しながら歩いたことが思い起こされた。その後の筋肉痛のひどさとともにさ。