失望・放縦などのために自分の境遇・前途を破壊して顧みないこと。やけになること。「―におちいる」
* * * *
先日、私が大切にしていたガラスの中鉢が壊れた。
食器洗浄機の水切りの上で真っ二つに割れていた。結婚祝いに友人たちに買ってもらったものの一つだ。「何がいい?」と問われて「北一ガラスの淡雪シリーズ」と即座に答えられるほどに好きなガラスだった。透明な硝子にたくさんの気泡が入っていて、まさに淡雪を思わせる冷たくて暖かい器だ。
しかし粗忽者の私は、すでにこの14年で何度も割っている。そして機会があれば買い足してきた。とはいうものの随分数も足りなくなっていたので、大ショック!という訳ではなかったが。
私「あー割れてるー。昨日の洗い当番誰?」
長女「○○(妹)だよ。そういえば昨日ガッチャンって言ってたもん」
次女「・・・違うもん。・・・・・・と思うもん」
私「ふーん、そう。じゃあ、食器が勝手に割れたんだね。俺もうこんな生活いやだーっ!爆発してやるーって言って割れたんでしょう!?お母さんも爆発してやるからいいよ。ボンっ!て言って影も形もなくやってやるからさ。がはは」
このとき私の胸に去来したのは五郎だ。
イカ天の後番組で、自作ビデオを出品して競う番組があった。それで、忘れられないのが『爆発五郎』だ。以下、シナリオ。
ヒーロースタイルの覆面男登場。
「やあみんな!僕の名前は爆発五郎って言うんだ!」
一目散に賭けて行くヒーロー。
ドラム缶の上でとんぼ返り。
煙とともに爆発。跡形もなく消える。
(爆笑)
というビデオフィルム。他の作品が、コマ落としでアニメーションらしきものを作ったりという非常にマニアックで凝った空気の中、五郎は一服の清涼剤であった。
わたしは五郎になりたい。 <<終>>
ところで、お盆休み中更新お休みすることがあります。
お運びいただき「ちぇ!」と思われましたらごめんなさい。
p.s.娘は「もし割ってたらごめんなさい」といってくれました。