■ 日 日 夜 夜 ■

日々のタワゴト                  

<だいなし【台無】>p.1454



 今日は、予想外に良い天気になり、ドライブに出かけた。夫にどこに行く?と聞いても答えが返ることはまれであり、いつも我が家のお出かけは、ミステリー・トレインに乗ったような感じだ。

 ミステリー・ドライブ略してミスド

 気が付くと、仁木町のサクランボ農園であった。とても混んでいた。入場料を払い入ってみる。その場で食べる分は食べ放題だ。何種類かの品種があるようだ。それとなく周りの人々を見ると、皆少しでも赤い実のなる木を!と群れている。

 しかし、食べてみると結構酸味がある。夫が「甘い」という木を見ると全然黄色い。「嘘でしょ」と思いつつ食べてみると、意外にも美味しい!大きめの実で、効率も良し。ばくばく食べる。

 木の下を見ると、随分実が落ちている。赤くはないが充分に熟している。でぶ・ぷにぷに・見た目悪し・味は良しということで、「おかあさん」みたい。と自分でいう。しかし、腐る一歩手前なのだ。

 子供らと種飛ばし競争などしながら、笑い転げつつ満腹になるまで食べる。

 次は釣り。余市川で糸を垂れてみる。初めて来た川だ。ウグイばかりで、さっぱりだ。それでも楽しい。そろそろ帰るかあ。と、車に戻りかけたところで、自然が呼んだ。

 笹の茂みに入り、用を済ませて「帰ろう」としたとき、何事か起きた。左足が踏みつけた笹に、右足が引っかかったようだ。どでーん。と倒れて額を大きな石に打ち付けてしまった。

 痛いというよりジーンとしていて、どうなっているのかよく分からない。娘にねー、どうなってると前髪を掻き上げて見せると、「わー、血ー出てるし、ひどいよー。ねーだいじょうぶ?」と取り乱した。

 自分も怖くなった。頭がもうろうとしている。とりあえず、車に戻ろうと言って引き揚げた。対岸にいた夫は姿がない。

 キーがないので車にもたれ立って待つ。フェンダーで見ると凄いことになっていた。出血はさほどじゃなかった。が、おでこにミドリガメを張り付けたくらいポコンと腫れている。おっそろしい形相だ。

 ペットボトルの入れ物に保冷剤が入っていたので、それで冷やし大人しくしていた。痛くてしゃべる気にならない。子供たちが心配している。

 しばらく走ったところで、海を見ると見たことのない大きな黒い鳥がたくさん浮かんでいる。思わず子供らに「わー凄い。鳥がたくさんいるよー」と教えた。

 娘が「お母さん人だよ」という。

 よく見るとたしかにウェットスーツを着た人たちがボディーボードに乗って浮かんでいるのだった。何十人も同じ方向を向いていたし、みんな真っ黒だったので遠目には分からなかったのだ。大笑いした。

 チビがその声を聞き「よかったね。おかあさん元気がいっぱい出てきたね」というので星飛雄馬のようにドワーっと涙が出た。

 とにかく、転倒で楽しい一日は台無しだったのだ。明日、この腫れがどうなっているかが怖い。どこにも行けない。