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日々のタワゴト                  

<こう‐ぎょ【香魚】>p.796



こう‐ぎょ【香魚】カウ アユの美称。

あゆ【鮎・香魚・年魚】

アユ科の硬骨魚。東アジア、特に日本の名産魚。全長約30センチメートル。稚魚期を海で過し、初春川をさかのぼり、急流にすむ。珪藻を食べ、肉に香気がある。寿命は普通1年なので「年魚」の字を当てるが、越年鮎も知られている。あい。  夏 。万葉集5「裳の裾濡れて―か釣るらむ」


 アユの美称が香魚。他にも年魚などとも呼ばれている。この−−魚という異称は他の魚にもついているのだろうか。あまり馴染みがない。

 もうじき群馬育ちの鮎が、はるばる北海道まで長旅をしてくるころだ。

 連れ合いの故郷は利根川沿いにある。家業は蕎麦屋なのだが、この季節、義父はいつも心ここにあらずらしい。

 川は呼んでいる。(はずはないが、そういう心持ち)行かねばならぬ。とばかりに。

 一度、夫の実家の釣りを見物に行った。釣ったのは義父、夫、弟、姉の夫だ。女性陣は誰も釣ることなんか考えもしないらしい。スタン、スタンとタモに魚がキャッチされる。とても、気持ちよさそうだ。

 私は釣ってみたくてたまらなかった。友釣りなんて滅多にする機会がない。しかし、郷に入っては・・・だ。我慢した。

そういえば一度だけ鮎を釣ったことがある。山女魚釣りをしていたのだ。なかなかの手応えに、胸を踊らせつつ竿を揚げた。すると、背掛かりしたその魚は、なんとほっぺたに黄色いマークがあるじゃないか。

 外道も外道だ。でも、嬉しい外道。一人での釣行だったが「ハッハァ」と間抜けな鮎の顔を見て笑ったのであった。黄色いマークにチュウをした。香魚の名のとおりにキュウリのような香りがした。