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日々のタワゴト                  

≪座るsit down≫旺文社コンパクト和英p.352



 例文として:She sat reading a book.が載っている。

彼女は座って本を読んでいた。・・・・か。

 近頃は葬儀のやり方も千差万別になって来ていて、生前に自分の葬い方を遺言する人が多いらしい。

 私は遺言したい。もし葬式をするならば椅子式のホールでやってくれと。

 郷里では、お寺の本堂で葬儀を行うのが一般的だ。当然、女性は正座。これが辛い。10分もすると、かなりしびれてくる。親指を揉んだり、いろいろ試みたが、これぞという痺れ防止法はない。私は臍も曲がっているが、足の骨も曲がっているらしい。右側に膝下を流す膝の崩し方はできるが、逆をやろうとするとひっくり返る。つらい。

 相当悲しいお葬式でも、ゆっくり悲しむことができない。よって、先ほどの遺言となる。参列者には、余計なことに神経を煩わせずに思い出を回想してもらいたい。

 私には夢がある。オットマン付きで柔らかい革張りの 、ちょっとやそっとじゃお尻の痛くならない椅子。そんな超高級椅子をいつか買いたい。ついでに、通販生活に載っている高級読書灯(5万くらいだったかな)も欲しい。

 夜ならばティーテーブルにはウヰスキーのロックも欲しい。真っ白い髪で膝掛けをして、猫を膝に乗せ、そんな椅子で本を読む。わー、おっしゃれー。かーわいい。すってきー。(をーい!誰かバット持ってきてくれー。布団たたきでもいいぞー。鞭でもいいぞー)。理想の老後だ。

 私が死に、椅子式のお葬式が終わり、癒えぬ悲しみの中、娘達は語る「母は、彼女は来る日も来る日も・・・飽きずに、椅子に座って本を読んでいたね」と。

 猫がそれを聞いていることだろう。