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日々のタワゴト                  

≪うぶ≫角川国語辞典p.99



 今日の御題は“うぶ”。角川国語辞典「うてわ−うまみ」のページで最初に目を引かれたのは「優曇華うどんげ

 優曇華の花って?と読み進める。三千年に一度咲くという、インドの想像上の花。仏教用語らしい。少し心惹かれる。

 あ、でも隣には「うどん」が…。んーそれもいいわね。次の頁は…と。と、見ると“うぶ”という語が。あ、なんだかいろいろ想像力が喚起される。よし、今日はこれで。と、こんな感じで、キワメテいいかげんにテーマを決めてみます。

 さて“うぶ”。取り立てて考えてみたことはなかったけれど、古語的な響きがある。うぶ ⇒産毛⇒産む・うぶ…近い。そっか♪(と、ピコンピコンとランプが点いたような気がする。何かにずるずると糸が繋がったような感じ。

 こういう瞬間が好き。「言葉」って面白いなあと感じる。2000年に生きている私のザル頭と、昔々からの言葉の溜池が、細々とした地下水脈で開通!)。広辞苑を引いてみよう。うぶ【産・生・初】ふむふむ。

 産毛というと、桃の表面を覆っている短い柔らかい毛を思ってしまう。陽射しにキラキラ光る様。そーっと撫で回したい気持ちに襲われる。つるつるでもなく、ふわふわでもない「あの感触」。こういうことを考えるとき、いつも思う。私ってホントに動物だなって。 

 匂いとか・音・光・味・温度・触感を含め、「あの時のあの感じ」…を頭の中で再現するのが好き。本能で生きています。

 産着・産湯→この“うぶ”には穢れのない清潔なニュアンスがある。あ、長女を出産した時の情景が脳裏に。

 古い個人病院の分娩室。背景は昔ながらの田の字型の窓枠。真っ白いナースキャップの助産婦さんが、生まれたばかりの娘をバスタオルにくるんでいた。

 何故でしょう?そのくしゃくしゃの赤ん坊(私から生まれたのですが)には後光が射していました。まさに、冒すことのできない神聖な存在に感じられました(しかし、しつこいのですが産んだのは、下世話な、この私です)。ことばにすると空々しいかもしれませんがホントです。ただ、その瞬間はもっと単純に(あー、なんてきれいなんだろう!)と思ったんです。

 話がそれてしまったけど、「うぶ」って言葉はやくざな兄さんが年端の行かない娘にいう「うぶな奴だな…」などという少しばかり蓮っ葉な印象の方が圧倒的だよね。